職場にせよ、学校にせよ、4月から新しくスタートを切ることの多い日本社会。進学や就職、部署異動などで、生活環境が大きく変わった、という方も多いかと思います。新しい環境で、がんばろう!と張り切っている方、それ、非常に良いことなのですが、そんな方にこそ、注意してほしいのが「五月病」。

たいていの場合は一時的な不調で、1~2ヶ月で症状が良くなっていく・・・とされていますが、こじらせてしまうと深刻な事態に陥ることもあるので、油断は禁物です。そこでここでは、新生活に向けてスタートを切ったあなたのために、五月病の症状と、予防法について、その経験者でもある私が、できるだけ詳しくお伝えしていきますね。

 


「五月病」の原因は?どんな症状が出るの?

まず、発症する時期ですが、その名の通り、5月、大体ゴールデンウィーク明け頃、つまり新生活になれ始めた頃にやってくるのが特徴。というのも、人間は新しい環境に入ると、周りの環境に慣れよう!と必死になるもの。そのため、疲れやストレスに対する感性も鈍りがちです。

しかし!ゴールデンウィークなど、長期の休みをきっかけに、今までの緊張感から解放されると、忘れていたストレスや疲れを実感。今の生活、これでいいのか・・・といろいろと考え、悩んでしまうことも多々あります。

 

実はこの悩みこそ、五月病の原因。

代表的な症状としては、

・やる気がなくなる

・気分がすぐれない

・わけもなく焦る

・イライラする

・不安を感じるなどの精神的症状

また、

・睡眠障害(眠れなくなる、朝起きるのがつらくなるなど)

・胃の痛み

・動悸・

・めまい

・食欲不振、

などの身体的症状となって現れる場合も多いそうだそうです。

 

 

かく言う私も、かつてこの症状に悩まされた一人。私は中学の時、私立の女子校に入学したのですが、これまでとは全く違う環境に緊張しまくり。

それでも初めのうちは、自分をだましだまし(笑)何とかやっていけたのですが、それこそ連休明け頃から、学校に通うのがひたすら苦痛に。あれほど頑張って勉強して入学した学校なんだから、行きたくないはずないだろ!と自分に言い聞かせながら、無理して登校し続けた結果、睡眠障害が悪化。

体調を崩し、ある日学校で倒れるというかなり大変な事態になってしまいました(泣)。幸い、私の場合、友人や先生方、両親の支えがあって、すぐに回復することができましたが、どうせなら、最初からかからずに心身共に健康に過ごしたいものですよね。そこで、次は、五月病発症を食い止めるための対策についてお伝えしていきますね。


 五月病の有効な対策とは?

周りとコミュニケーションを取る

まず、一番大切なのは、一人で疲れやストレスを抱え込まないようにすること。そもそも、五月病になりやすいのは、真面目な人や、責任感の強い人、忍耐力のある人とされています。いい人じゃないか~、と思いますが(笑)、こうした人たちは、何か問題が起こった場合に、自分一人の力で何とかしようとしがち。挙げ句の果てに、問題をこじらせてしまいがちです。

そこで重要になるのが、家族や友達、同僚などとの会話。本当につらい時は、他の人と話すのもおっくうになりがちですが、愚痴や自分のツラさをはき出すのは大変重要なこと。新たな視点を得られる可能性もあるので、普段から信頼できる&気の合う相手とコミュニケーションをとるように心がけましょう。

 

仕事や学校のことを「忘れる」時間を持つ

職場にせよ学校にせよ、新しい環境に馴染もうとしている時って、他のことが見えなくなってしまいがちですね。けれど、それ、五月病に陥りやすくなるパターン。

せめてオフの日ぐらいは、仕事や学校のことを忘れ、心身共にリラックスする時間を設けるのが五月病予防には必要です。

ちなみに、私のオススメは、ヨガ。大学生の時、友人に進められ、ジムに通い出したのをきっかけにはじめたのですが、ポーズを取っている最中は他のことを考える余裕なんてないので(笑)、どんなに仕事が煮詰まっていても、それを忘れることができる。

おそらく私が現在の職場に入社した時、五月病にかからずに済んだのは、ヨガのおかげじゃないかな~、と感じているぐらいです。もちろんそれ以外の運動でもOKですし、読書や映画に没頭するのもストレス軽減にはかなり有効。

より広い世界に目を向け、仕事や学校とは関係ない「楽しみ」を見つけるようにしましょう。

 

 

 質の良い睡眠をきちんと取る

 寝る直前までスマホをいじっていたり、テレビやパソコンの画面を見続けていたり・・・という方、いませんか?かく言う私もその一人。最近は夜に面白い番組やっていることが多いし、晩にしか連絡の取れない友人も多い。

そんなこんなで、つい夜更かししてしまいがちです(反省)。しかし!実はこれも五月病発症の原因になるので要注意。

というのも、人間は、眠っている間に体と心のメンテナンスを実施。そのため、きちんと眠れていないと、五月病の原因となるストレスや疲れをためこむことになってしまいます。

そんなことにならないためにも、寝る前にテレビやパソコン、スマホの画面は見ない、毎日湯船にゆっくり浸かる、など、生活習慣に気を配り、毎日、質のよい睡眠を取るように心がけて!

あと、休みになると、夜型の生活になっちゃうんだよね~、という方や、休みの日に「寝だめ」をするという方も要注意。睡眠リズムの崩れが、五月病の原因という説もあるらしいので、毎日決まった時間にベッド(or布団)に入るようにしましょう。

 

バランスの良い食生活を意識する

実は日々の食事も、ストレス対策&五月病予防に大きな役割を果たします。まず、外せないのが、肉や魚、大豆製品、牛乳など、良質なタンパク質をたくさん含む食材。

というのも、心の健康を司り、眠りの質を向上させるホルモンに「セロトニン」というホルモンがありますが、このホルモンは、動物性タンパク質に含まれる必須アミノ酸「トリプトファン」を原料に合成。

レバーや青魚(さんま、マグロ、カツオなど)、豆類やバナナに多く含まれているビタミンB6は、トリプトファンをセロトニンにするために働くので、こちらもしっかり摂る必要があります。

炭水化物、ダイエットのために控えているという方もいるかとは思いますが、こうして作られたセロトニンを脳内に取り込むために必要な栄養素。摂りすぎはともかく、極端なカットは避けるようにしましょう。

朝食は脳を覚醒させ、効率よくセロトニンが分泌されるのに効果的なので、是非とも摂るよう心がけて!それこそバナナ1本でもいいので、口にするようにしましょう。(実はバナナは、果物でありながら、トリプトファンも多く含む食材なのです。)

 

新たな「プチ目標を」作る

 第一志望の学校や職場に入れた!という方、本当におめでとうございます。ただ、それを「ゴール」にしてしまっていた場合、環境に慣れてきた時に、最初にも書いたように今の生活、これでいいのか・・・といろいろと考え、悩み&ストレスをため込んでしまいがちなので、要注意です。

そこでオススメするのが、新たな目標作り。とは言っても、あまり高い目標を掲げてしまうので、かえってストレスになるので、手を伸ばしたら何とか届くかな?ぐらいの「プチ目標」がオススメ。

私の場合、ヨガの新しいポーズをマスターすることを目標にしていますが、それ以外にも週に1本は映画を見る、どんなに忙しくてもスキンケアは怠らない(いずれも同僚の「プチ目標」)などでもOK。

そうした「プチ目標」を確実に達成していくことで、自分に自信をつけ、ストレスへの耐性をつけるようにしましょう。

 まとめ

 

精神的症状(やる気がなくなる・気分がすぐれない・わけもなく焦る、イライラする・不安)や身体的症状(睡眠障害・胃の痛み・動悸・めまい、・食欲不振)などの身体的症状

など、いろんなツライ症状を引き起こしてしまう五月病。

確かになりやすい性格の方もいらっしゃいますが、

・周りとコミュニケーションを取る
・仕事や学校のことを「忘れる」時間を持つ

・質の良い睡眠をきちんと取る

・バランスの良い食生活を意識する

・新たな目標を作る

などで、予防・改善することが十分可能。決して過度に恐れることはありません。

ただし、例えば前には楽しみにしていたはずの趣味に没頭できない、眠れない状態が長期にわたって続いている場合は、五月病をこじらせて、うつ病になっている可能性もアリ。医療機関に相談して、適切な治療を受けるようにしましょう。

新しい環境で楽しく過ごせるよう、いろいろと工夫して乗り切っていきましょうね!