突然ズキズキ、ガンガンとわき起こって、私達を悩ませる偏頭痛。何と日本人のおよそ8%(!)がこの症状に悩まされているといわれていますが、集中力もモチベーションも下がるし、本当に厄介ですよね。
実は、実家の母もそんな偏頭痛に長年悩まされてきた一人。幸いにして、病気が原因ではないらしいのですが、治し方がなかなか分からず、長年苦労。最近になって、ようやく自分なりの対処法を確立したようです。
そこでここでは、偏頭痛でお悩みの方に、身をもって痛みを経験した母の経験を交えながら、効果的な治し方についてお伝えしていきますね。
目次
どうすれば治る?ツライ偏頭痛の効果的な治し方
1.冷やす
実は偏頭痛って、なぜ起こるのか、原因がはっきりしていないのですが、最も有力視されているのが、頭部の血管が膨張し、その周りを取り巻いている「三叉神経」が刺激されるという説。
刺激された三叉神経からは、痛みを起こす炎症物質が出され、頭痛が発生する・・・という説です。この場合は、膨張した血管を収縮するために頭部を冷やすのが最も効果的な対処法。
冷やすのは、偏頭痛が起こっている場所か、頭部に血液を送り込んでいる頸動脈が通っている首の後ろが良いとされています。
ちなみに、ウチの母は、冷えピタシートか、保冷剤にタオルを巻いて痛みを感じる箇所→首筋に交互に当てるという方法を採用。体を動かした後とか、お風呂に長く浸かった後に起こる偏頭痛の場合は、これで治ると申しております。
ただ、この時に注意してほしいのは、冷やしすぎは禁物だということ。というのも、長時間頭を冷や続けていると、血管の収縮と拡張が連続して急激に発生。さらに強い頭痛が起こることもあるので、注意が必要です。
また、血行不良や筋肉の収縮などが原因で起こる「緊張型頭痛」の場合は、この方法を採ってしまうとさらに症状が悪化するので要注意。
偏頭痛は、
・発作的に時々起こる
・頭の片側に起こることが多い
・体を動かすことで悪化する。
・目がチカチカする、視界が狭くなる、などの予兆がある。
緊張型頭痛は、
・発作的ではなく、持続的な頭痛。
・頭の両側か頭全体、後頭部が痛む。
・体を動かすと少し楽になる
などの特徴が見られるので、自分の頭痛がどちらのタイプか、しっかり見極めて対処する必要がアリ。
「緊張型頭痛」の場合は、むしろ温めて血行をよくしたり、筋肉のコリをほぐすことで改善できるので、まず自分の頭痛が本当に偏頭痛なのか、チェックした上で、冷やすべきかどうかを考えてください。
2.ツボを押す
偏頭痛の原因として、血管の拡張とともに考えられるのが自律神経の乱れ。その背景として、強いストレスが挙げられます。自律神経は、「交感神経」と「副交感神経」の大きく2つに分けられますが、交感神経は運動した時や仕事が忙しい時になどに活発になる神経。
これに対して、副交感神経は体がリラックスしている時に強く神経です。
本来は、この2つの神経がバランス良く働くのが理想的なのですが、そうもいかないのが現代の私達の生活(泣)。繁忙期で山積みのタスクに緊張して取り組むなど、ストレスが強い状態が続くと、交感神経も過剰に活動。すると、交感神経には、血管を縮める働きもあるので、脳の血管も強く縮むことに。
そして、週末など、大変な仕事や緊張から解放されてほっとした途端に、一気に副交感神経に切り替わり、血管が広がって偏頭痛が起こる・・・というパターンが多いそうです。実際、平日は何ともないのに、休祝日などに限って偏頭痛が起こる、という方も多いのだとか(「週末型偏頭痛」とか「ウィークエンド頭痛」とも言うそうです)。
こうした自律神経の乱れによる偏頭痛は、自律神経に関わるツボを刺激することで「応急処置」が可能。効果的なツボはいくつかありますが、まず、代表的なのが、両耳から頭に沿って線を伸ばしていき、頭のてっぺんで交わる部分にある「百会」というツボ。
実家の母も頼りにしているツボですが、髪の毛をかき分け、指が頭皮に直接当たるようにして押すのがポイントです。
あと、両耳の後ろにある出っ張った骨の下(乳様突起)にある「完骨」もオススメのツボ。
眼精疲労をとる作用もあるので、実家の母はもちろん、私もよく押しています。
その他、手の親指と人差し指の間のくぼみにある「合谷」など、比較的手軽に押せるツボも存在。母の友人(やはり長年の偏頭痛持ち)は、頭のツボよりもこちら方が効いているらしく、せっせとこちらを押しているのですが、どうも効果の出やすい箇所は人によって違うようなので、ご自分で「相性」のよいツボを見つけて押すようにしてみましょう。
ちなみに、ツボを押すときは、力を入れ過ぎず、気持ちがいいと感じる程度に行うのがポイント。
また、同じツボを長時間刺激しすぎると、揉み返しがきたり、頭痛が悪化する場合もあるので要注意。1か所につき10秒ずつ×2セットを目安に行うようにしましょう。
3.暗く静かなところで休む
自律神経の乱れが原因で起こる頭痛の場合、2でご紹介したツボ押し同様、かなりの効果を発揮するのが、短時間でもいいから休むという方法。心身共にリラックスさせることで、副交感神経を活発にさせるのが目的です。
その際、まず注意してほしいのは、必ず暗くて静かな場所で休むということ。
というのも、光が強かったり、大きな音がする場所だと、神経がそれに過敏に反応してしまい、リラックスすることができなくなってしまうからです。
なので、実家の母も、休む際には、いつもBGM代わりにつけているテレビをOFFにし、かつカーテンを引いて薄暗くするようにしているのだとか。
また、パソコンやスマホなども、もちろんリラックスを妨げてしまうのでタブー。職場や学校にお勤めの方は、ちょっと難しいかもしれませんが、休憩所のような所があれば、そこで少し休むようにしてみましょう。
4.食べ物&飲み物に気をつける
上の3つは確かに効果はありますが、いわば「応急処置」。偏頭痛にお悩みの場合、もっと根本的に生活習慣から見直す必要があります。
特にまず注意してほしいのが、食生活。
日頃なにげな~く口にしている食べ物&飲み物も、偏頭痛の原因になっている可能性があるので、注意が必要です。
まず、偏頭痛の原因になる成分として、よく挙げられているのは「チラミン」という物質。
食品で言えば、チーズ、サラミ、ソーセージ、鶏レバー、イチジクなどに多く含まれています。
また、赤ワインやチョコレートなど、ポリフェノールを多く含む食材も、偏頭痛を悪化させかねないので、注意が必要。抗酸化作用などの健康&美容改善作用で注目されているポリフェノールですが、血管を広げる働きもあるため、頭痛が起こっている時にとると、症状をこじらせてしまう原因に。
絶対口にしてはいけない!というものではありませんが、偏頭痛がしょっちゅう起こる!という方は、一度控えてみることをオススメします
あと、気をつけてほしいのが、コーヒーや紅茶、緑茶などカフェインを多く含む飲み物。
カフェインには、広がった血管を縮める作用がアリ。それゆえ、まだ痛みが軽いうちであれば、コーヒーを飲むと効果がみられることもありますし、実際、頭痛薬などにもカフェインは多く用いられています。
ただし!長期的&大量に摂っていると、かえって頭痛を悪化させてしまうので要注意。また、中毒性もあるので、一日にコーヒーを何杯もがぶがぶ飲んでいるという方、その飲み方、依存症になる可能性もあるので、注意が必要です。健康な成人が1日に飲んでも悪影響のない量はマグカップ3杯程度とされていますので、それを目安にするようにしましょう。
逆に、積極的に摂ってほしいのが、まずマグネシウムを多く含む食材。ほうれん草などの緑黄色野菜や海藻類、大豆製品などが該当しますが、マグネシウムには、血管が収縮する動きを抑えたり、炎症を和らげたりする働きがアリ。それゆえ、偏頭痛改善にも効果が期待できます。
また、偏頭痛が起こる原因であるストレスに対処してくれるホルモンに、「セロトニン」というホルモンがありますが、このホルモンは、動物性タンパク質に含まれる必須アミノ酸「トリプトファン」を原料に合成。トリプトファンは、肉や魚、大豆製品、牛乳などに多く含まれているので、積極的に食べるようにしましょう。
あと、ビタミンB群も是非積極的に摂ってほしい栄養素。特にビタミンB6はトリプトファンをセロトニンにするために必要ですし、ビタミンB1には神経系の働きを安定させる働き、ビタミンB2は脳の血管や神経の興奮を収める働きがあるので、一度試して見る価値はアリ。
ビタミンB6はレバーや青魚(さんま、マグロ、カツオなど)、豆類やバナナ、ビタミンB1は豚肉、B2はアーモンド、ウナギ、納豆など、比較的手に入りやすい食材にも多く含まれているので、一度試してみること、オススメします。
ただし、こうした栄養素、もちろん効果は期待できますが、それだけ摂っていたらOK、というものではないので注意して!食生活全体を見直し、これ以外の栄養素もバランス良く採るようにしましょう。
5.規則正しくしっかり睡眠
偏頭痛を大本から改善したいのなら、しっかり眠るのが一番有効。
大体6~8時間程度が理想とされています。ただし、睡眠には「量」だけではなく、「質」も重要。
特に、休日寝だめする、とか、週末&連休は夜型、という不規則な睡眠パターンだと、交感神経と副交感神経がバランス良く働くことができなくなるので、要注意です(ドキッ)。睡眠は、偏頭痛の原因でもあるストレスの解消にも有効なので、朝すっきり起きる→昼間は元気に動く→夜は早めに寝る、というように睡眠にしっかりリズムをつけて、偏頭痛の予防&改善に役立てましょう。
ウチの母も、典型的な週末夜更かしパターンだったのですが、これを見直したせいか、かなり偏頭痛、よくなりましたよ!
まとめ
突然ズキズキガンガンとわき起こるので、かなり厄介な偏頭痛。けれど、
・冷やす
・ツボを押す
・暗く静かなところで休む
などの応急処置と、
・食べ物&飲み物に気をつける
・規則正しくしっかり睡眠
などの生活習慣の見直しなどで、かなりの改善が可能。決して絶望することはありません。
ただし!なかなか良くならない場合や、強い吐き気がおそってくる場合、深刻な病気が隠れていることもあるので注意して!専門の医療機関で相談することをオススメします。偏頭痛でお悩みの皆さん、私も母をみていたのでよく分かりますが、その症状のない人には分かってもらいにくいし、本当にツライですよね。けれど、必ず良くなる日が来るはず。
上でご紹介した方法を参考に、諦めずに、治療に取り組んでいきましょうね。