初盆は、故人になった霊が初めて家に帰ってくるお盆となるので特に丁寧に手厚く、ご供養をします。親族としては初盆に香典を出すのが一般的です。
では、初盆の香典の相場は?注意したい事など、しっかり確認しておきましょう。
目次
初盆とは?
初盆(はつぼん)とは、故人を祀る仏教行事です。初盆は、故人の告別式を終えて、四十九日を過ぎてから迎える初めてのお盆の事をいいます。
※地方によっては、新盆(あらぼん、にいぼん、しんぼん)ともいいます。
勘違いしがちですが、初盆はただ「亡くなった最初のお盆」を言うのでありません。
故人の四十九日(『忌明け(きあけ)』)以降に初めて迎えるお盆のことです。
※『忌明け』とは?
喪に服している期間が明けること。
「仏式の場合は四十九日」、「神式の場合は五十日」となります。
この忌明けが過ぎてから、迎える最初のお盆が初盆、あるいは新盆と呼ばれています。 その為、亡くなってから四十九日以内にお盆がくれば、その年ではなく翌年が初盆となります。
親族の初盆の香典の相場は?
初盆では、親族でも香典を出すのが一般的です。親族に不快な思いをさせてはいけないですし、しっかりと相場を確認しておきたいですよね。
初盆の香典の一般的な相場は、
実祖父・祖母の場合:5000円~10000円
実父・母・ご兄弟の場合:10000円~20000円 となっています。
※しかし、初盆の香典の相場については、地方によっては様々です。親族の場合は、金額が固定で決まっていたり、初盆の香典をもらわないという所もあります。初盆で香典を包む際は、必ず家族や親戚に相談して確認してから金額を決めるようにしましょうね。
初盆の香典の表書きは親族の場合どう書けばいい?
『香典袋』
「御仏前」「御佛前」「御供物料」の表書きを使用します。
※ちなみに「御霊前」は四十九日を迎える前の、お通夜やお葬式に用いられる表書きなので、初盆などには当てはまりません。間違えないようにしましょう!
『表書き』
初盆の香典袋の表書きは、ご夫婦の場合、中央に夫のフルネームを書きます。
夫の氏名だけでも良いのですが、妻が、故人とご縁が深かった場合は、連名にしましょう。(中央に書いた夫の氏名の左横に妻の名前だけを書きます)
『水引き』
「結び切り」の水引きのものにしましょう。一般的には、双銀・黒白、藍銀、を用います。
また、京都を中心に黄白を使用する風習が広まっていてるので、現在では関西・北陸・四国あたりでは黄白を使用するケースが多いです。
初盆の香典に入れるお札の向きについて
初盆は、悲しむ時期を過ぎていて、既に偲ぶ時期になっています。その為、初盆の香典に入れるお札の向きは特に気にする必要はありません。とはいうものの、失礼になるんじゃないかと気にしちゃいますよね。
香典に入れるお札の向きには、様々な諸説があますし、人それぞれ考え方も違います。その為、「これが正しい!」とは断言出来ませんが、最低限失礼にあたる事がない初盆の香典のお札の向きについて、ご紹介しますね。
・お札が二枚以上になる場合は、お札の向きを揃えて入れる。(お札の向きは、裏向きで顔は下向きにしておけば、無難)
・新札は、香典には向かないという考えが根強いので出来るだけ新札は控える。もし、新札を使う場合は、二つに折って折り目を付けてから入れる。(あまりにも汚れていたり、しわがあるなどの汚いお札は、逆に失礼に思われる場合があるので使わない。)
・お札の枚数は、4と9にならないようにする。
提灯の準備はどうしたらいいか?
初盆を迎えた家へ、親戚や故人と親しかった方が、盆提灯を贈るという習わしは古くからあります。
※提灯とは?
先祖や故人の霊が迷わず帰ってくる目印として飾っているもの。
初盆の場合は、白提灯を玄関や部屋の窓際、仏壇の前などに吊るし飾ります。
ちなみに、この初盆用の白提灯は、お盆が終了したら燃やして処分しまうので、たった一回だけの使用となります。
ただ、最近の住宅事情からして、物理的に提灯の置き場に制約がある場合が多いと思いますし、「提灯をどうするか」の相談を家族とした方がよいでしょう。物理的な問題もあって、今では兄弟や親戚などから盆提灯用にと現金で頂戴して、故人の家族が全て用意する方が多くなっています。
※「御提灯代」と書かれているのを見ますが、「○○代」という言葉は商品やサービスの対価の支払い時に使う言葉です。敬って贈る金封の表書きには相応しくないので控えるようにしましょうね。
まとめ
初盆とは、故人の四十九日(『忌明け(きあけ)』)以降に初めて迎えるお盆のことです。ご香典の相場や提灯の準備など解説しましたが、地域や家庭によって考え方は様々ですので、親戚や家族に相談するようにしましょうね。
親族に不快な思いをさせないよう、故人を敬う気持ちをもって初盆に参加したいですね。